/astrology [擬リヴ]
こんばんは^^
今回は毎度無駄に長い冒頭の世間話はナシです!
何故なら折りたたみ先に上げた小説の続きが長いからであります(><);
この忙しい時期に読んでくださる方がいらっしゃるのかどうかわかりませんが;
宜しければ、どうぞお付き合いくださいm(´`)m
↓前回のおはなしのある記事(ぬいぐるみ配布の下にあります。
http://howling-night.blog.so-net.ne.jp/2010-11-11
※擬人化での設定をもとに、擬人化した彼らが文章の中で動いておりますので
苦手な方はご注意くださいませ。(でも挿絵は原型・・・)
-------------------------------------
前回記事にnice!&コメントありがとうございました(≧□≦)!<嬉
コメントのお返事はその記事のコメント欄にさせて頂きましたm(´▽`)m
いつも感謝です・・・
しかしあれですよ、nice! もコメントも、「緋宇がしてくれたからお返しせねば」だなんて
気を使われませぬよう;(><)ノ ただでさえ皆様お忙しいのですから;
お気持ちだけで嬉しいのですよ(´・v・`)
最近「気を遣って頂いてるのではないか」と、なんだか申し訳なく思うのです(^^)ゞ
あ、でもこれ言わせてください!!
4000nice!ありがとうございます!!!!
言い忘れて「次の更新こそ言わねば!」と思いつつずっと忘れてて;
皆様のおかげでここまで来れました;; 本当にいつもありがとう(´`)
-------------------------------------
それでは、続きは小説になります。
本当に長いので、気が向いた時・お時間のある時に宜しくお願いしますm(_)m
その前に少し。
この物語での主人公である「ヘカーテ」は、まだ設定記事は上げてない子です。
なので少しだけ解説すると、
■ルルの妹である。
■8歳(以前イラスト上げた頃は11歳くらいだったけど、変更)
■身長120~125センチくらい
■普段はウェーブの髪を三つ編みにしているが、
のんの家に滞在しているときは下ろしている事も多い。
■表情や雰囲気こそ似ていないが、顔のつくりはルルの小さいころに似ている。
(のでルルが幼くなったのを想像していただければ…
擬人化での挿絵はありませんが、イメージとしてはそんな感じです(´・v・`)ゞ
それでは、以下本編です。
・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.:*・☆・゜・
【2】
ヘカーテは埜彗の部屋を飛び出したその足で、薔薇の咲き誇る庭へと出た。
夜露に濡れた花の前で息を切らし、立ち止まると肩を上下させる。
涙が出た。
姉が迎えに来てくれないのが悲しいからか。それもそうだが、しかしこの涙は違う。
先程の自分の行動には我ながら心底驚いた。衝動的にとはいえ、
よもや最愛の姉から届いた手紙をこの手で破り捨てるとは。
埜彗も目を瞠っていたが、一番驚いているのはきっと自分自身だ。
その行いがあまりにも淋しくて空しくて、情けなくて…。
手紙を破くことが、まるで、姉の心を踏みにじるように思えた。
ヘカーテは「ごめんなさい、姉様ごめんなさい」と、薔薇の前で涙をこぼした。
スカートの裾を握る手の平が震える。ぬぐってもぬぐっても、涙は生まれ、流れた。
あのかわいそうな手紙はどうなっただろう。ヘカーテは思いを馳せる。
でも―――。
例え破かなかったにせよ、自分はあの手紙を読むことはしなかっただろう。
内容は読まずと知れていて、充分だった。読んでもきっと、その寂しさが増すだけだ…。
嗚咽に震えたため息は空気を白く染め、黒い闇ににじんで消える。
姉様、どうしてなの―――?
ヘカーテは目を開けて、涙に汚れた顔を上げた。その視線の先には、悠久の星空。
冬の澄んだ大気の中に、多くの星座が瞬いている。
そうだ…。
あの星達ならば、姉の事を知っているかもしれない。そう思い至る。
ヘカーテは薔薇の園の中でそっとひざまずき、胸の前でその小さな両手のひらを組む。
星に額を向け、静かにまぶたを閉じた。
「/astrology」
その呟きで、彼女の足元に煌々と輝く魔方陣が出現する。
青白く輝くそれに刻まれている複雑な紋様は、星座を表していた。
深呼吸する。故郷のそれには及ばぬ寒気が、肺をいっぱいに満たす。
ヘカーテは組んでいた手のひらを解いて、その両腕を左右に開いた。
そうして少女は歌を歌う。
こことは違う異国の言葉で紡がれた詩を、夜空と同じに澄み切った声に乗せて。
その歌は魔方陣に沁み、星座はいっそうに輝きを増して、彼女の下でゆっくりと旋回し始める。
彼女の問いを静かに待つ。
少女は星に問う。
閃きのまま、青黒い夜の帳にあまねく全ての星へ、答えを乞う。
色んなことを聞きたかった。
姉は今どこにいるのか、何をしているのか。危ない目に遭ってはいないか、その身は無事か、
はたまたいつ、自分を迎えに来てくれるのか―――。
ヘカーテは胸の中ですがるように問いかけた。
教えて、姉さまはどこ……?
―――しかし、応えは、無い。
星はただ静かに瞬きを繰り返すばかりで、何も囁いてはくれない。
けれどヘカーテは諦めずに、術の施しが悪かったのかもしれないと歌い続ける。
それでもやはり、望むものは得られなかった。
魔法を使う点において、彼女は幼き故か才なき故か、
「聖女」の妹とは思えぬ拙さと無力さで周囲を困らせることも多い。
しかし事占星術に関して言えば、まさに聖女の妹と言わしめる、
大人をも唸らせる抜群の力を発揮した。
高尚な魔法使いにしか呼び出せない十二星座も、相性の良しあしはあれど、
少女の話をいつも真摯に聞いてくれる。応えてくれる。
その、はずであるのに………。
一度は夢中で忘れた空しさが、再び胸へと去来した。けれど落胆のあまり、もう涙も出ない。
ヘカーテはついに歌うのをやめ、へなへなとその場に座り込んだ。
魔力を失くした魔方陣からは光が消え、そのまま闇へと溶けていく。
どうやら星にも見放されてしまったらしい…。
―――だが。本当はそうではない。
星達も、答えを知り得なかっただけだ。
何故なら遠き地に居るルルが自らの行動を読まれぬよう、
自身にあらゆる術を弾き返す魔法をかけていたからだ。
星は切実に少女の願を聞き届け、しかし、果たせなかった。
ヘカーテは未熟さゆえ、ついにその事に気付けなかった。
「―――占い、ダメだった・・・?」
後方からの静かな問いかけに、ヘカーテは我にかえって振り向いた。
少し離れた場所で、少年が佇んでいた。闇夜の中でも、
その金の髪は月光を受け、くっきりと輪郭を象った。プリミティブワタメの七珀(なのは)だった。
「なのたん・・・」
ヘカーテの力ない笑みが、術の失敗を伝えた。
七珀はぽりぽりと頭をかく。
「もう中に入ろう。お茶が入ってるよ」
2人が待ってる。
ヘカーテは素直にうなずき、立ち上がった。
もはや術は何度挑んでも同じであろう。それを痛感した今、諦めるほかない。
七珀が手を握り、引いてくれる。と、七珀は尻尾の先ををピンと上げ、
モコモコの毛を逆立たせる。
「ヘカーテの手つめてぇ!」
素っ頓狂な声に、ヘカーテは目を丸くし、困って小さく笑った。
「おかえり。ミルクティーとレモンティー、どっちがいい?」
2人の待つ部屋へと戻ると、焠奇(にらぎ)がティーポット片手にたずねてくる。
「・・・ミルクティーがいい」
答えると、焠奇は笑ってうなずき、淹れたてのお茶を花柄のカップに注いでくれる。
「寒かったろ。まぁ、お前の故郷(くに)ほどじゃねぇだろうけど」
言いながらノエは立ち上がり、自らの左隣の椅子を引いて、ヘカーテを招いてくれた。
席に着くと同時にミルクティーが出来上がり、焠奇が勧めてくれる。
しかしまだ手は付けられない。その前に言わなければ。
「あの…」
ヘカーテの小さな声に、三人が注目する。
目が合わせられずに俯いて、
「さっきは、ごめんね」
ぽつりと謝った。
手紙を破いたことを、埜彗は厭きれていないだろうか。
ぶつかりそうになりながらそのまま出て行ってしまったことを、焠奇は怒っていないだろうか…。
ヘカーテはテーブルの下でぎゅっとスカートを握る。
三人は目を合わせ、小さく笑う。埜彗は黙ってヘカーテの頭に手を乗せ、
焠奇は彼女の前へとそっと、付け合わせのケーキを置く。
「だいじょーぶだ。二人とも怒ってないぞ」
七珀はニッと歯を見せて笑った。
その声に、ヘカーテは顔を上げる。埜彗も焠奇も、微笑みかけてくれた。
「お、このケーキうま。のん、美味いぞっ」
「そりゃぁよかっ……。おい、ときに七珀クン。なにゆえキミは俺の分まで食ってんのカナ?」
「美味いから。」
「てめェ…」
口喧嘩という名の、試合開始のゴングが鳴る。
端でギャーギャー騒ぐ二人を笑って、焠奇は「お茶、熱いから気を付けて」と言い添えた。
いつもと変わらぬ、いつもの光景だ。
ヘカーテはほっと安堵のため息をついて、カップに口を付ける。そうしてすぐさま、
「あつっ!」
その声に3人は目を丸くして、そうして苦笑する。
今しがた焠奇が「気を付けて」と、注意したばかりだというのに。
「馬鹿だな・・・大丈夫か?」
埜彗の問いに、ヘカーテも苦笑で返す。頬が赤く染まった。
カップをそっと握りなおす。冷え切った手のひらを伝わり、全身に温もりが沁みいった。
ここの皆はこんなにも優しくしてくれる。
けれど。
それでも、姉に会いたいと思ってしまう自分は、きっと我がままなのだろう。
そうは思うのだけれども。その思いは止まらずに、ヘカーテの胸に在り続ける。
忘れるすべの、わからぬままに…………。
-------------------------------------
お疲れ様でした。
ここまでが起承転結の「起」にあたる部分でしょうか(ぇ)
つまりはまだまだ終わりません;w
寝しなにベッドの中で携帯ちまちま打っては書いてますw(=ω= )ムニャ
途中の挿絵の魔方陣とかもっとごちゃっとしたデザインでいきたかったのですが、
あまりにもやっつけになってしまった・・・
って、やっつけにしたってももっとなんここうマシに(ry
本当は十二星座のマークとか入れてこだわりたかったんですが(゜v゜)ゞ
「そんな暇あったら誕生日プレゼント作るわ」と我に返ったという(*`∀´*)←正しい。
あとラヴォの正面むずい。。。orz
でもヘカーテはあんな顔つきに違いない。
公式のリヴも色だけじゃなくて、
顔のパーツとか選んでカスタム出来ればいいのにwとか思いますw
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました(><)!
おやすみなさいませ・・・☆彡
今回は毎度無駄に長い冒頭の世間話はナシです!
何故なら折りたたみ先に上げた小説の続きが長いからであります(><);
この忙しい時期に読んでくださる方がいらっしゃるのかどうかわかりませんが;
宜しければ、どうぞお付き合いくださいm(´`)m
↓前回のおはなしのある記事(ぬいぐるみ配布の下にあります。
http://howling-night.blog.so-net.ne.jp/2010-11-11
※擬人化での設定をもとに、擬人化した彼らが文章の中で動いておりますので
苦手な方はご注意くださいませ。(でも挿絵は原型・・・)
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前回記事にnice!&コメントありがとうございました(≧□≦)!<嬉
コメントのお返事はその記事のコメント欄にさせて頂きましたm(´▽`)m
いつも感謝です・・・
しかしあれですよ、nice! もコメントも、「緋宇がしてくれたからお返しせねば」だなんて
気を使われませぬよう;(><)ノ ただでさえ皆様お忙しいのですから;
お気持ちだけで嬉しいのですよ(´・v・`)
最近「気を遣って頂いてるのではないか」と、なんだか申し訳なく思うのです(^^)ゞ
あ、でもこれ言わせてください!!
4000nice!ありがとうございます!!!!
言い忘れて「次の更新こそ言わねば!」と思いつつずっと忘れてて;
皆様のおかげでここまで来れました;; 本当にいつもありがとう(´`)
-------------------------------------
それでは、続きは小説になります。
本当に長いので、気が向いた時・お時間のある時に宜しくお願いしますm(_)m
その前に少し。
この物語での主人公である「ヘカーテ」は、まだ設定記事は上げてない子です。
なので少しだけ解説すると、
■ルルの妹である。
■8歳(以前イラスト上げた頃は11歳くらいだったけど、変更)
■身長120~125センチくらい
■普段はウェーブの髪を三つ編みにしているが、
のんの家に滞在しているときは下ろしている事も多い。
■表情や雰囲気こそ似ていないが、顔のつくりはルルの小さいころに似ている。
(のでルルが幼くなったのを想像していただければ…
擬人化での挿絵はありませんが、イメージとしてはそんな感じです(´・v・`)ゞ
それでは、以下本編です。
・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.:*・☆・゜・
【2】
ヘカーテは埜彗の部屋を飛び出したその足で、薔薇の咲き誇る庭へと出た。
夜露に濡れた花の前で息を切らし、立ち止まると肩を上下させる。
涙が出た。
姉が迎えに来てくれないのが悲しいからか。それもそうだが、しかしこの涙は違う。
先程の自分の行動には我ながら心底驚いた。衝動的にとはいえ、
よもや最愛の姉から届いた手紙をこの手で破り捨てるとは。
埜彗も目を瞠っていたが、一番驚いているのはきっと自分自身だ。
その行いがあまりにも淋しくて空しくて、情けなくて…。
手紙を破くことが、まるで、姉の心を踏みにじるように思えた。
ヘカーテは「ごめんなさい、姉様ごめんなさい」と、薔薇の前で涙をこぼした。
スカートの裾を握る手の平が震える。ぬぐってもぬぐっても、涙は生まれ、流れた。
あのかわいそうな手紙はどうなっただろう。ヘカーテは思いを馳せる。
でも―――。
例え破かなかったにせよ、自分はあの手紙を読むことはしなかっただろう。
内容は読まずと知れていて、充分だった。読んでもきっと、その寂しさが増すだけだ…。
嗚咽に震えたため息は空気を白く染め、黒い闇ににじんで消える。
姉様、どうしてなの―――?
ヘカーテは目を開けて、涙に汚れた顔を上げた。その視線の先には、悠久の星空。
冬の澄んだ大気の中に、多くの星座が瞬いている。
そうだ…。
あの星達ならば、姉の事を知っているかもしれない。そう思い至る。
ヘカーテは薔薇の園の中でそっとひざまずき、胸の前でその小さな両手のひらを組む。
星に額を向け、静かにまぶたを閉じた。
「/astrology」
その呟きで、彼女の足元に煌々と輝く魔方陣が出現する。
青白く輝くそれに刻まれている複雑な紋様は、星座を表していた。
深呼吸する。故郷のそれには及ばぬ寒気が、肺をいっぱいに満たす。
ヘカーテは組んでいた手のひらを解いて、その両腕を左右に開いた。
そうして少女は歌を歌う。
こことは違う異国の言葉で紡がれた詩を、夜空と同じに澄み切った声に乗せて。
その歌は魔方陣に沁み、星座はいっそうに輝きを増して、彼女の下でゆっくりと旋回し始める。
彼女の問いを静かに待つ。
少女は星に問う。
閃きのまま、青黒い夜の帳にあまねく全ての星へ、答えを乞う。
色んなことを聞きたかった。
姉は今どこにいるのか、何をしているのか。危ない目に遭ってはいないか、その身は無事か、
はたまたいつ、自分を迎えに来てくれるのか―――。
ヘカーテは胸の中ですがるように問いかけた。
教えて、姉さまはどこ……?
―――しかし、応えは、無い。
星はただ静かに瞬きを繰り返すばかりで、何も囁いてはくれない。
けれどヘカーテは諦めずに、術の施しが悪かったのかもしれないと歌い続ける。
それでもやはり、望むものは得られなかった。
魔法を使う点において、彼女は幼き故か才なき故か、
「聖女」の妹とは思えぬ拙さと無力さで周囲を困らせることも多い。
しかし事占星術に関して言えば、まさに聖女の妹と言わしめる、
大人をも唸らせる抜群の力を発揮した。
高尚な魔法使いにしか呼び出せない十二星座も、相性の良しあしはあれど、
少女の話をいつも真摯に聞いてくれる。応えてくれる。
その、はずであるのに………。
一度は夢中で忘れた空しさが、再び胸へと去来した。けれど落胆のあまり、もう涙も出ない。
ヘカーテはついに歌うのをやめ、へなへなとその場に座り込んだ。
魔力を失くした魔方陣からは光が消え、そのまま闇へと溶けていく。
どうやら星にも見放されてしまったらしい…。
―――だが。本当はそうではない。
星達も、答えを知り得なかっただけだ。
何故なら遠き地に居るルルが自らの行動を読まれぬよう、
自身にあらゆる術を弾き返す魔法をかけていたからだ。
星は切実に少女の願を聞き届け、しかし、果たせなかった。
ヘカーテは未熟さゆえ、ついにその事に気付けなかった。
「―――占い、ダメだった・・・?」
後方からの静かな問いかけに、ヘカーテは我にかえって振り向いた。
少し離れた場所で、少年が佇んでいた。闇夜の中でも、
その金の髪は月光を受け、くっきりと輪郭を象った。プリミティブワタメの七珀(なのは)だった。
「なのたん・・・」
ヘカーテの力ない笑みが、術の失敗を伝えた。
七珀はぽりぽりと頭をかく。
「もう中に入ろう。お茶が入ってるよ」
2人が待ってる。
ヘカーテは素直にうなずき、立ち上がった。
もはや術は何度挑んでも同じであろう。それを痛感した今、諦めるほかない。
七珀が手を握り、引いてくれる。と、七珀は尻尾の先ををピンと上げ、
モコモコの毛を逆立たせる。
「ヘカーテの手つめてぇ!」
素っ頓狂な声に、ヘカーテは目を丸くし、困って小さく笑った。
「おかえり。ミルクティーとレモンティー、どっちがいい?」
2人の待つ部屋へと戻ると、焠奇(にらぎ)がティーポット片手にたずねてくる。
「・・・ミルクティーがいい」
答えると、焠奇は笑ってうなずき、淹れたてのお茶を花柄のカップに注いでくれる。
「寒かったろ。まぁ、お前の故郷(くに)ほどじゃねぇだろうけど」
言いながらノエは立ち上がり、自らの左隣の椅子を引いて、ヘカーテを招いてくれた。
席に着くと同時にミルクティーが出来上がり、焠奇が勧めてくれる。
しかしまだ手は付けられない。その前に言わなければ。
「あの…」
ヘカーテの小さな声に、三人が注目する。
目が合わせられずに俯いて、
「さっきは、ごめんね」
ぽつりと謝った。
手紙を破いたことを、埜彗は厭きれていないだろうか。
ぶつかりそうになりながらそのまま出て行ってしまったことを、焠奇は怒っていないだろうか…。
ヘカーテはテーブルの下でぎゅっとスカートを握る。
三人は目を合わせ、小さく笑う。埜彗は黙ってヘカーテの頭に手を乗せ、
焠奇は彼女の前へとそっと、付け合わせのケーキを置く。
「だいじょーぶだ。二人とも怒ってないぞ」
七珀はニッと歯を見せて笑った。
その声に、ヘカーテは顔を上げる。埜彗も焠奇も、微笑みかけてくれた。
「お、このケーキうま。のん、美味いぞっ」
「そりゃぁよかっ……。おい、ときに七珀クン。なにゆえキミは俺の分まで食ってんのカナ?」
「美味いから。」
「てめェ…」
口喧嘩という名の、試合開始のゴングが鳴る。
端でギャーギャー騒ぐ二人を笑って、焠奇は「お茶、熱いから気を付けて」と言い添えた。
いつもと変わらぬ、いつもの光景だ。
ヘカーテはほっと安堵のため息をついて、カップに口を付ける。そうしてすぐさま、
「あつっ!」
その声に3人は目を丸くして、そうして苦笑する。
今しがた焠奇が「気を付けて」と、注意したばかりだというのに。
「馬鹿だな・・・大丈夫か?」
埜彗の問いに、ヘカーテも苦笑で返す。頬が赤く染まった。
カップをそっと握りなおす。冷え切った手のひらを伝わり、全身に温もりが沁みいった。
ここの皆はこんなにも優しくしてくれる。
けれど。
それでも、姉に会いたいと思ってしまう自分は、きっと我がままなのだろう。
そうは思うのだけれども。その思いは止まらずに、ヘカーテの胸に在り続ける。
忘れるすべの、わからぬままに…………。
-------------------------------------
お疲れ様でした。
ここまでが起承転結の「起」にあたる部分でしょうか(ぇ)
つまりはまだまだ終わりません;w
寝しなにベッドの中で携帯ちまちま打っては書いてますw(=ω= )ムニャ
途中の挿絵の魔方陣とかもっとごちゃっとしたデザインでいきたかったのですが、
あまりにもやっつけになってしまった・・・
って、やっつけにしたってももっとなんここうマシに(ry
本当は十二星座のマークとか入れてこだわりたかったんですが(゜v゜)ゞ
「そんな暇あったら誕生日プレゼント作るわ」と我に返ったという(*`∀´*)←正しい。
あとラヴォの正面むずい。。。orz
でもヘカーテはあんな顔つきに違いない。
公式のリヴも色だけじゃなくて、
顔のパーツとか選んでカスタム出来ればいいのにwとか思いますw
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました(><)!
おやすみなさいませ・・・☆彡
こんにちは^^挿絵が毎度の事ながら綺麗なんですが、同じくらい表現が綺麗で ふおーっと ため息まじりで読ませて頂きました!
なんだか、夜の空気とか、ミルクティーの香りまで伝わってくる感じで。
普段 斜め顔しか見せないリヴの正面顔は難しいですよね。
よく、ユンクで躓きますw
表情も色々 選べたら もっと個性が出て面白そうですね~♪
でも、結構 自分のフィルターで リアルリヴの顔も結構 違って見えていたりします(親馬鹿
後、もう少し 自由度が欲しいですよね~ リヴリー♪
by CtoJ (2010-12-09 10:50)
>>Cさん
こんにちは^^
Σ(゜□゜〃)!!
小説を書く上で表現には色々あると思うのですが、
今回はきれいさを目指したので、そんなふうに言って頂けて
とても嬉しいですo(≧□≦)o
空気や香りまで伝わってくるだなんて、最高の褒め言葉だと
思いました;
自分にはもったいなさすぎます、でも感激です(´`〃)
ああ、ユンクは確かに難しそう・・・でもCさん描けてるよな・・・
なんて思っていたら、以前のチャバネットの正面顔の
チャバさんの顔が出てきて1人思い出し笑いです(笑)
あのゆるさは良かったな~最高でした、忘れられないwww
うんうん、目の形や大きさとか、DSのトモダチ●レクションみたいに
カスタマイズして作れたら、もっと「自分だけの子」が出来ると
思うのです(´v`)今のままでも充分リヴリーは可愛いですけどねw
そしてやはり「自分フィルター」は装備ですよね!
緋宇も持ってます・・・(笑)
そして、素敵さんお誕生日おめでとうございました!!!
ここでも叫んでおきます(`・ω・´)キリッ
コメント有難うございました(≧∀≦)
by 緋宇 (2010-12-09 12:59)
こんにちは。
素敵な挿絵&小説でした(●^v^●)
ヘカーテちゃんとルルちゃん姉妹のすれ違いが切ないです。
占星術の歌う描写が文章の雰囲気を美しくしていて、引き込まれそうでした。
小説を読むと、キャラクターの事がよく分かるようになるので面白いですね。
では、乱文失礼しました。
by 紅白 (2010-12-09 15:56)
こんにちは。
緋宇さんは、イラストだけではなく小説も書かれるのですね!
とっても驚きました! !
し、しかもケイタイで・・・
今日のイラストも、いつもながらすごく色が綺麗です☆
心から敬服いたしました(^^ゞ
(mhirochiki)
by hirochiki (2010-12-09 16:40)
こんにちは!!
4000nice、おめでとうございます☆☆
凄い数ですね・・・。私なんて足元にも及ばないです>< 緋宇さんを見習って頑張ります!
小説、読ませていただきました///
ただ「凄い」の一言しか出てこないです>< 途中の挿絵が本当にかっこよくて感動しました!
ヘカーテの姉に対する強い思いが、本当に伝わってきました^^
よ、よし! 私も書いてみるk((蹴
乱文すみません>< では。
by レリオル (2010-12-09 17:06)
こんです
小説と挿絵がとても素敵です
その場面が伝わってきました〜蒼の使い方がとても好きです♪
ケータイで長文お疲れ様です、これをあの小さいキーで打ってるというのにもビックリです
もしかして、埜彗の所にスノーマシンが無いのですか?
by KEN (2010-12-09 20:24)
4000nice!おめでとうございます
先日の続きのお話、美しい世界観が挿絵とあいまっていい感じですね
うまく言葉にできませんが、寒いけれど星空がとても綺麗に見える冬の夜が目の前に広がりました
そして挿絵の正面の顔がまた素晴らしいw
デフォでは想像力を駆使して360°何処から見てもその子になるように、、、って思いますよね
ちゃんとラヴォの正面だ~wwと思いました、やっぱりすごいv
続き楽しみにしています、姉妹がいつかいつも一緒にいれるようになればいいなぁ~と祈りながらw
by Ryokan (2010-12-10 01:29)
こちらこそはじめましてwコメントありがとうございます。
挿絵の雰囲気素敵です…こういう系好きだ…><
小説,前の分から読ませて頂きました★
冬の夜空と心の中の描写がいいですね!
…温かいミルクティーでも心の中まで温めるのは難しそうですね。
続き楽しみです…姉妹が幸せになれますように。
>私信 馬はご存じのように大抵は立って寝ますよ^^
たまに脚を折りたたんで寝たり,横に寝転んだりしますが
内臓に負担がかかるので3時間未満しか寝転がってられないとか。
by スクルフ (2010-12-12 16:12)
☆コメントお返事☆
----------------------
>>紅白さん
こんばんは^^
小説読んでくださったのですね////
ありがとうございます、嬉しいo(≧□≦)o
物事は言葉にして初めて認識することもあると思うのですが、
紅白さんに「ヘカーテとルルのすれ違い」と言われて初めて
「ああ、そうかあの2人のはすれ違いか!」と
認識しました(^^);w(おま)
イメージとしてしか捉えてなかった…;w
こんなアバウトな奴が書いてる物語ですorz
が、彼女らの事が少しでも解って頂けたなら光栄です(><)
事細かに乾燥くださって嬉しかったです!
有難うございました(*´v`*)
----------------------
>>mhirochikiさん
こんばんは^^
はい、趣味の延長というか、中途半端なところまでしか
育ちませんでしたが、小説も書いたりします><
そうなんですよ、ケータイで(´▽`)ゞw
起きてる間PCでは絵を描いてるので、
寝る前に少しずつ書き進めてますw
しかしながら「敬服」だなんて自分には分不相応すぎる言葉です;;
でも、そんなふうに言って頂けて嬉しいです(´□`*)
ありがとうございました////!
----------------------
>>レリオルさん
こんばんは^^
4000nice!ありがとうございます(≧□≦)!
それもこれも、レリオルさんを始めとした皆様のおかげです(´`〃)
需要がなさそうなのでフリー絵とかはないのですが、感謝です。
小説読んでくださったのですねΣ(゜□゜*)!!
見て頂けて嬉しいです//// ありがとうございます><!
「わたしも書いてみるか!」って、良いと思います!!
自分も最初はそういうノリで書き始めましたよ(`・v・´)
なので激しく応援したいですo(≧□≦)o
ぜひ、挑戦してみてくださいっ!
自分はなかなか書けませんでしたが、
「諦めが悪い」っていうのも時と場合によっては大事だと
学びました><
----------------------
by 緋宇 (2010-12-13 00:43)
----------------------
>>KENさん
こんばんは^^
お忙しい身ながらいつも来ていただいて感謝です><
ありがとうござます(´`〃)
「青の使い方が好き」と言って頂けて嬉しいです(゜▽゜*)!
青は自分が一番好きな色なので、こだわって描いてます><
それが少しでも人に伝わればいいと思っています(´v`*)
ケータイは漢字変換が出来なかったり、それでなくても
ちまちましてるので時々「うがああああ!!」ってなりますが、
ベッドに入ってからケータイいじるのが
どうも自分好きなようです(^^)ゞ
スノーマシンですか?
そうなんですよ、のんの所にはないです(;´з`)
自分4年もリヴリーやってる割にddすっからかんなので、
近年のリヴ界の相場にはついていけませんorz;w
欲しい物いっぱいあるけど手に入らない・・・
なので課金してヤミショで憂さを晴らすという
最悪のパターンです;w
コメントありがとうございました(*´▽`*)
----------------------
>>Ryokanさん
こんばんは^^
4000nice!ありがとうございます(≧□≦)!
そしてRyokanさんは8000nice!おめでとうございます(≧▽≦)!
と、ここでも叫んでみますww /bigshock!☆
Σ(゜Д゜*)
Ryokanさんも読んでくださったとの事で感激です////
ありがとうございます(ノ◇`*)
挿絵、途中投げたの事への後悔が尾を引いて
「載せるんじゃなかった:」とも思いましたが、
「あいまってる」と言って頂けて救われました(´`〃)
この文章で目の前に光景が広がったとおっしゃるなら、
それはRyokanさんの想像力が豊かだからだと!
先日Ryokanさんのブログに乗せられてた「塔」の作品は
本当に好きでした・・・素晴らしい世界観です(´Д`*)
あの絵は自分の中でいつまでも光ってます☆彡
うんうん、脳内360度リヴリー展開してみるのですが、
自分立体とか苦手なのでなかなか儘なりませんorz
でもRyokanさんにそう言って頂けるなら元気でます(*´v`*)
たくさんありがとうございました(≧□≦)
----------------------
by 緋宇 (2010-12-13 01:05)
----------------------
>>スクルフさん
こんばんは!
ふおお、わざわざこちらのブログにまで足を運んでいただいた上
コメントまで頂けるなんて!画面の前で興奮しました(≧□≦)
しかもその上、小説まで読んで頂けて・・・!?
開いた口がふさがりません、光栄すぎて(ノ□≦)嬉しいです////
「…温かいミルクティーでも心の中まで温めるのは難しそう」
そこまで読み解いてくださるなんて本当にうれしくて、感激して、
でも自分の儘ならない語彙力では
筆舌に尽くしがたいところであります(><);
それがもどかしい;;
「続きが楽しみ」とまで言って頂けて、糧になります(´`〃)
本当に感謝です////
>そして馬の件!
なるほど、「内臓に負担がかかる」から
馬はあまり横にならないのですね!
しかも寝るとしても3時間未満・・・φ(゜v゜*)メモメモ
理由までご存じとは博識でらっしゃる><
素直に尊敬です(゜□゜*)!
ご丁寧に教えてくださってありがとうございました(≧▽≦)!
by 緋宇 (2010-12-13 01:17)
ヘカちゃんはずっとずっと抑えていた気持ちが、堰を切ったように溢れ出してしまったのね。感情的になったり、そのことを反省したり、小さなヘカちゃんは周囲を巻き込みながらも成長していく。。
あこちゃのお話しからは、色彩・温度、音・香りまでもが伝わってくる。
魔方陣を呼び出す場面では、凛とした冷たい空気に鳥肌が立ったし、ティーカップを掌で包み込んだときには、指先がジンジンした。
七珀くんの手ものんたんの手もあたたかだった。
この挿絵、好きだな~(*´ω`*)
続きがとっても楽しみです♪
時間のあるときにじっくり読みたくて・・ って、こんなに遅くなっちゃったよぅぅぅ(-д-`*)
「ありすちゃん お誕生日おめでとう♪ のんたんといつまでもお幸せに♡」とか、3号ちゃんの可愛さにもコメントしそびれちゃった(ノдヽ)エーン
でも(で繋がらない)、あこちゃ大好きだーーっ!!!!!(←(´Д`υ)
by keke (2010-12-13 09:42)
ステキなお友達と乗り越えてくれることを祈ってます
イラストが幻想的でとてもステキです§^。^§
by 雪渦 (2010-12-13 14:46)
緋宇さん こんばんは^^
小説の続きが 益々気になります
読んでいると すっかりその世界にはまります
へカーテちゃんの姉を思う切な過ぎる気持ちと
見守っている3人の気持ちがそれぞれ
スーっと自然に入ってきます
途中のイラストがタイミングよく目に入って
へカーテちゃんの心情とシンクロしましたw
緋宇さん家の世界観にどっぷりと浸っていたいです^^//。
by ぷぷー (2010-12-13 17:32)
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>>けけた
こんばんは^^
けけたなかなか姿が見えないな・・・と思ってたので、
来てくれて嬉しいです(≧ω≦)!
その上、忙しい中小説まで読んでくれてありがとう(´□`゜。)
空気に鳥肌、やティーカップの熱で指先がジンジン・・・
けけた・・・貴女の想像力は素晴らしいよヽ(≧□≦)ノ
コメント読ませてもらいながらこっちが逆に
「けけたすげぇ!」って感動したというか!
自分の拙い小説でも、そこまで感じ入てもらえるんだなと思って、
そのけけたの想像力に助けてもらったなと、とても嬉しい!
お礼が言いたいよ(ノ□`〃)
8歳の女の子ってどんなんだろうってすごく悩みながら書いてて、
精神の意味での成長のスピードとか、早すぎはしないかとか・・・
ヘカーテは勝手に動いてくれるキャラなので
その行動に任せて書いてるけど、いまいち自信がないです;w
でも、けけたがヘカの心情を察してまとめてくれたコメを読んで、
あんまり違和感ないかな?と思いました・・・
これからもけけたを始めとした読み手さんに
助けてもらうような小説になると思うけど、
よかったらまた読んでやってください(*´v`*)
アリスちゃんや3号さんの記事の件もありがとう!
呼んでくれただけでも嬉しいのです><///
自分もけけた大好きだーーっヽ(*`∀´*)ノ!!
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>>雪渦さん
こんばんは^^
祈って頂きありがとうございます(*´v`*)
自分が作っていく世界だから、
どんな未来になるか決まっていても
我が子が幸せであるようにと思いながら書いてます。
イラストも褒めてくださりありがとうございました(><)
励みになります(´・v・`)
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>>ぷぷーさん
こんばんは^^
ようこそいらっしゃいましたっヽ(゜▽゜*)ノ
企画の方お疲れ様でしたね(´・v・`)!
終わってからさっそく来て頂いて感謝なのです><
「続きが気になる」・・・これも書き手にとっては
素晴らしすぎる褒め言葉です////
ありがとうございます(≧≦)
そこまで物語に入り込めるのは、
ぷぷーさんの想像力あってこそなのですよ><
その力が自分の未熟な小説を助けてくれていると思うのです・・・
だからその事にも感謝したいです。
「続きが気になる」と言って頂けたので、
引き続き頑張りたいと思いました!
ありがとうございました(ノ∀`゜。)
by 緋宇 (2010-12-13 21:38)